上海から武夷山へ:古茶道を旅する・その3

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2017.05.24 桐木村への道

上海虹橋火车站から高鉄で武夷山へ。
penghuan(パンホァン)が切符を予約してくれていたので、まずは何か食べることにした。「大娘水饺」にて芹菜水餃をリクエスト。茶碗蒸しのようなおかずと、インゲンの炒め物、王老吉を買って来てくれた。

上海虹橋火车站は、高鉄(G)と特急(动车 D)が出ており、つまり普通電車や鈍行がないので、混雑が少なく快適だとパンホァンは言う。外国人である私の身分証を登録しに窓口へ。これで次回からはもっと楽に切符を購入できるらしい。检票口を通り、いよいよ乗車する。
パンホァンのくれたプラムのような桃をかじりながら、流れる景色を見ていた。

武夷山北で下車。空が青くて驚いた。
心なしか風も心地良い。パンホァンの友人と言う人が車で迎えに来てくれていて、言われるがままに乗り込む。武夷山で茶業を営む人らしい。
30分ほど車に揺られ、市内のはずれにあるレストランに到着した。彼らの住むお茶の村へ行くのはさらに時間がかかるため、ここで夜ご飯を食べてから出発すると言う。青い空、白い雲、広がる茶畑。二人用のブランコや、休憩所が設けられており、茶畑に囲まれて寛げるようになっている。

野外で炊いていたご飯も炊けたようで、個室へと案内された。武夷山の夫婦とその父親、杭州から買い付けに来た2人、私たちの2人で食卓を囲む。武夷山の名物やら、季節の野菜やら、どんどん運ばれてくる。同じものを口にすることで、お互いの距離が近づき、ビジネスもしやすくなるのだろう。原始的ながら、最も効果的にも思えた。

いよいよ桐木村へ。お茶の段々畑がとても美しい。道の反対側には川が流れており、車内にいてもマイナスイオンをたっぷりと浴びている気持ちになった。

すっかり暗くなった頃、目的地に到着。さっき摘んだというお茶の葉と、紅茶が出来るまでの工程を見せてもらう。自分以外の全員がお茶を生業としているため、話題はほぼお茶である。武夷山、杭州、上海それぞれのお茶業界の景気について。取引先の選び方について。お客さんの質と傾向について。パンホァン曰く、上海に住む人はサラリーマンが多く、安定志向で、ビジネスの仕方や習慣が異なるので、商売が難しいらしい。専門的なことはわからないが、初めて聞くお茶業界の事情はとても興味深かった。

一通り工程を見学したのち、二階で試飲させてもらう。紅茶といっても種類がたくさんあるし、一煎目と二煎目で味が変わるので、どれがどれだかすぐにわからなくなってしまう。バラの香りづけしてあるのが、良い香りで好きだった。

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宮城県生まれ。 国際基督教大学教養学部卒業。2004年より上海戯劇学院に留学。 その後、上海にて映像制作の仕事に関わる。現在は東京で、コーディネーターときどきウェブ、イベント制作を担当しています。

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