留学生の声第7回: 杉本 幸穂 さん

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    中国に来るきっかけや目的は人それぞれ、でも毎日のハッピーは やっぱり自分で作るものだと思うから

    1. 滞在は何年何月からどのくらいの期間?

    2004.9-2005.9

    2. こどもの頃の中国のイメージと現在のイメージは?

    こどもの頃は自転車がとにかく多いというイメージ!北京の広い道路を自転車がうめつくしている感じと、ほこりっぽくてよどんでいる感じ。・・・結構マイナスのイメージかも?よどみからも何か混沌としたパワーを感じていました。
    今はその実態に触れ、自分がパワーをもらうことも多いです。上海に来た誰もが思うことかもしれませんが、まだまだ発展の途中で、きれいなものと汚いもの、良いものと悪いもののギャップが大きいなと思います。ただ、多くの人が何かに向かって一生懸命、そのぶん純粋だなあと感じています。

    3. 一番最初の中国との出会いは?

    小学生の頃、テレビのライライ・キョンシーズですね。
    その後は高校3年生の頃。親戚が中国人と結婚して中国がぐっと身近になりました。それが元で中国の大学を受験するよう薦められたのは断っちゃいましたけど。結局大学の第2外国語で中国語を勉強してから中国語を訪れることになりました。2週間くらいかけて上海・北京と旅行したんですけど、そのときはまた来たいとは思いませんでしたね。当時はコンビにもない、外のスタンドではコーラやスプライトしか売っておらず、しかもぬるい。上海のご飯も口に合わなくて、観光に行ったのは動物園くらいでした。北京のほうが落ち着いた感じで、人力タクシーもあるし、外国人も観光に来ているし、好印象でした。

    4. 中国行きの直接的な契機は?

    大学を卒業した後はアパレル系の会社で働いていたんですけど、上海に工場があったので出張で来る機会が何度かあったんです。大学で旅行に来て以来、久しぶりに見る上海の変化に衝撃を受けたのを覚えています。このとき工場で働く日本人2人と知り合い、活気のある現場と楽しく仕事をする姿を見て「このままじゃいけない」と漠然と感じました。2人のうち一人は同じ年の女の子だったのですが、中国で大学を卒業してそのまま上海で就職した彼女は、中国語もペラペラで中国人と和気あいあいと働いている。もう一人は男性で、仕事ではとても厳しくて有名だったのですが人間的にはとっても尊敬できる人。こういう環境で働きたいなあと強く感じました。その後は元旦に「今年中に中国に留学することにした」と親に宣言し、その年の秋にめでたく留学しました。

    5. 渡航形態は(自費 or 奨学金、語学 or 研究 or 仕事…)?

    私費留学。

    6. 渡航準備で苦労したことは(お金や家族の説得などなど)?

    親戚が中国人と結婚したこともあって親戚、特に父親は大賛成でした。・・・苦労したとすれば、上海に来てからですね。笑

    7. 最も好きな中華料理は?

    杭州のトンポーロー!小さい壷に入っているんですが、コクが違うんですよ。日本では味わえない味ですね。
    それから、やっぱり羊肉串。留学していた外大の近くにある羊肉屋さんには羊肉串のほかにもおまんじゅうの包子串(砂糖をかけたものと塩をかけたものの2種類)や野菜串などがあって、安いしお手軽だしとっても美味しい!授業が終わってからよく行っていました。

    8. 滞在して最も良かったことは?

    国際的な感覚が身についたことです。上海に来て感じたことは、外国人に対して気さくな人が多いということ。また、留学中は中国語と共通語として交流することがとても新鮮で、国に関係なく仲良くできるんだと実感しました。

    9. 滞在中最も驚いたり面白かったりしたことは?(クラスで、職場で、家庭で…)

    ほんとにパジャマで外出する人がいたこと!
    また、会社に入ってから初めて見たのですが、お掃除のおばさんがトイレで髪を洗っていて驚きました。お湯も出るし、キレイなのでいいんですけど・・・ちなみにそのあとは手を乾かす機械で髪を乾かしていました。
    面白かったことは、餃子屋さんで料理が出てくるのを待っていたらお客さんがお店のおじさんに激怒していてびっくり。会話をよくよく聞いてみると、10個入りのはずのワンタンが9個しか入っていなかったと言ってキレていました。そこまで怒らなくても・・と気が抜けてしまいました。

    10. 滞在中最も印象が悪かったことは?

    自転車にはねられたことです。
    一方通行の道路を渡ろうとしたら、逆車線側から自転車が猛スピードで走ってきて私の腰に激突!
    そのまま2回転、コマのように回る私に見向きもせず自転車は走り去っていきました。痛くて声も出ず、倒れこんでいると、そのあとやって来た電動自転車が肩のあたりで止まり「大丈夫?」と声をかけてくれました。この一言がなければ中国が大嫌いになってたかも。

    11. 最後に、これから行く人にメッセージをお願いします。

    中国に限らず、留学する人の中には「来れば何とかなる」と思っている人が多いように感じます。環境に頼ろうとしても結局日本人同士で集まったり遊んでいるだけでそのまま帰ってしまう人も中にはいます。実は自分もその中の一人だったりするのですが、結局は自分次第で、きっかけは何であっても来てからの問題だと思うのです。上海が発展しているからといって、自分も発展できるわけじゃない。私自身、中国には好きな部分も嫌いな部分もたくさんあります。せっかく来たなら楽な方に流されず、自分で見て判断し、有意義に過ごすのが一番だと思います。私が留学していた大学は、交換留学で留学する大学生が多く、「遊学」している人が多いなと感じました。それが悪いとは思いませんが、目的のある人は留学先の大学を選択することも大切だと思います。あとは毎日を楽しむこと。発見も体験も、すべて上海ならではだと思います。

    杉本さんの留学していた大学は・・・

    【上海外国語大学】
    住所: 上海市赤峰路555号1006室 〒200083
    問合せ: 外国留学生部
    URL: http://www.shisu.edu.cn/

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