前回に続き、夏休み特別編として、「JASSO中国語プログラム」という国際的リーダーシップ開発養成プログラムで、上海華東師範大学に留学中の横浜国立大学の皆さんのインタビューをお届けします。
>> 留学生の声:『夏休み特別編』その1は こちら
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渡邉 健一 さん
横浜国立大学 理工学部 3年
親が中国の人なので生まれた時からです。中国という国の存在をはっきりと認識し始めたのは小学校に入学してからだと思います。
以前から一度留学したい気持ちがあり、大学生になった今の自分の視点から、今の中国の姿を見てみたいと思っていたため。
二人で相部屋で過ごしています。洗濯機や冷蔵庫もあるので比較的過ごしやすい生活環境でした。食事は、中国料理が元々大好きなので毎日美味しいものを食べることができて嬉しいです。一方で、油っぽいものが多いので、さっぱりとした日本料理も恋しくなります。
語学の授業は、基本中国語と英語を使って行われました。とても実践的な内容で、各々が積極的に中国語を話すことができるような工夫がされていました。
授業の復習や、上海市内の観光、大学付近の散歩などをしていました。
火鍋、ピータンのお粥
学内は教室、食堂の雰囲気が好きでした。
学外は外灘、豫園、七宝が楽しい観光地でした。
現在の中国の姿を垣間見ることができたこと。美味しい料理、果物を食べられたこと。
有名な観光地に行けたこと。
中国語を使う機会がたくさんあったこと。
現地の学生と何人か友達ができたこと。
衛生面、路上での突発的に感じる腐敗臭が中々慣れるのが難しいです。また、交通面で自転車、バイクの運転の仕方は歩行者にとってもとても危険だなと感じています。
一方で、人々の活気がとてもあって、ここまで賑やかな雰囲気なのかと驚きました。
滞在する最後の週に、現地の学生と交流し始めたのですが、自分の中国語は語彙力、発音の正確さが本当に未熟であることが再認識できました。また留学前よりも、自分は中国、上海のことが好きになったんだなと感じています。
語学力の向上
異文化の認識と自身の見聞を広げる
異なる環境への順応性、適応性を培う
改めて自身を見つめ直す機会
として大きな意味を持つと思います。
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関 広泰さん
横浜国立大学 経営学部 2年
両親が中国人です
夏休みに何か挑戦したいと思ったから
留学環境は概ね良好です。寮は綺麗で寮生活は快適でした。食事は、日本のものと違って違和感を覚えることはありましたが特にまずいというものはありませんでした。
授業は、HSK5級レベルの授業を受けました。授業が全て中国語で行われるというのは新鮮でした。クラスメートが韓国人だというのはいい経験でした 。勉強以外にも相手の国の文化について話ができたので良かったです。課外クラスでは、自分の研究テーマを決めてそれに関するインタビューを現地学生に行うというものでした。中国のことについて現地の人に聞けたのは良かったです。
自由時間や週末は、大学の近くのショッピングモールを散策したり上海の有名な観光地に遊びに行っていました。
青椒肉絲
田子坊に行ったのですが、様々な雑貨屋があって良かったです。お気に入りです。
上海に来て、自分と違う文化に触れ合うことができたので良かったです。また2日、3日という短期ではなくそれなりの期間滞在したことにより、単に違う文化を日本と違うと驚くだけでなく、その様な文化を持つ様になった経緯にまで思いをはせる事ができ、良かったです。
また、現地に1ヶ月滞在する事で自分の中国語力が客観的に見てどれくらいなのかを知る事ができました。
上海に来て驚いたことは、店の店員のサービスの悪さと運転の乱雑さです。
最初は1ヶ月弱中国に滞在するということでとても長いと感じていましたが、実際終盤になってみるとあっという間だったというのが感想です。
留学することにより自分と違う文化や価値観に触れる事ができ、そのことにより自分の価値観や、自分の住んでいる所の文化とは実際どの様なものなのか捉え直す事ができたと思います。また、個人的には今回の留学で共に上海にに来た横国大の生徒と共同生活を送った事で協調性が身についたと思います。
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鈴木奈那美さん
横浜国立大学 教育人間科学部 3年
小学生のときに海外旅行で北京に行ったこと
父の仕事の関係で中学3年9月?高校3年6月卒業まで上海の現地校国際部に在籍していたのですが、大学へ入学してから中国語に触れる機会が減ってしまい、もう一度中国語を勉強し直したいと感じたから。また、昔と今ではどのように変化したのか関心があったから。
寮は比較的綺麗で、2人で共同生活をしました。ご飯は美味しいものが多かったです。日本に比べ、フルーツが格段に安いのでほぼ毎日買ってました。
韓国人の中国語のクラスに編入し、HSK5級レベルの授業を受けていました。リーディングとライティングの授業と、スピーキングの授業がありました。中国語の授業ではありましたが、韓国人とグループワークをすることが多かったため、韓国の文化にも触れることができました。また課外活動では様々な日本の企業へ見学させていただき、中国と日本のビジネスの違いなどを聞かせていただきました。
大学で部活動に日々励んでいることもあり、帰国後には大事な大会が控えていたため基本的には現地の体育館へ行き、中国人や駐在員の日本人の方々と一緒に卓球をさせていただいていました。行けない日などはランニングや筋トレをしていましたが、みんなと一緒に観光にも行きました。
火鍋
フルーツ屋
バスが物凄く揺れることや、降りるバス停に着くまでに降り口で待たなければならないこと、そっけない店員の方が多いけど、たまに見せる笑顔に落ち着くこと、とりあえず聞いてみればなんとかなることが多いこと、などなどちょっとした些細な出来事が懐かしくとても嬉しかったです。
3年前と今の上海では異なることも多く、3年でこんなに変わるのだなと思いました。特に青い空とクラクションの鳴り響かない道路は私にとってとても以前の上海のイメージを変えるものでした。また、モバイル決済やシェアサイクルなども以前は無かったため、中国の成長の速さを改めて感じさせられました。
1ヶ月もいられるという気持ちで来たのですが、いざ後半になってくるとあっという間だったなと思います。
語学力の向上をはかることはもちろんですが、色んな人に出会って、色んな考えを知り、人間性を豊かにする機会だと思っています。普段生活する場では、部活動をやっていることもありほとんど同じルーティンで物事に取り組み、同じ人と話し行動を共にします。ところが海外での生活では普段共に過ごすメンバーも全員が顔と名前が一致している程度で外では日本語も通じない。そうするとほとんどすべての出会う人が自分にとって初めての人で一人一人違う考え方やバックグラウンドを持っています。すると、今まで自分の中でこれは正しい、ここならこういう考え方をするなということもそれって本当に正しいのか?と見つめ直すきっかけになります。それが私にとって1番の留学の意味かなと思っています。
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ご存知かと思いますが、華東師範大学も横浜国立大学も教師を目指して学んでいる方が多い大学です。教える立場に近づくために短時間でも有意義な交流の時間を持てたこと、価値ある夏休みだったことは間違いなさそうですね!