【書籍】在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由

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日本在住の中国人たちが、裸一貫で来日してから今日に至るまでの日々を、ダイジェストして収めた本著。
経営者、医師、芸術家、ジャーナリスト、不法滞在の料理人と、多様で波乱万丈な人生が次々と語られていく。彼らは異国の地・日本で、どんな壁に遭遇し、どう乗り越えてきたのか。
その姿は、私たち日本人の中の中国人像を変えるだけでなく、自らの生き方を見直すきっかけをも与えてくれる。

私がこの本を手に取ったのは、トップバッターとして掲載されている、中国語チャンネルの会社社長・張麗玲さんの名前を見つけたからだ。張さんは、中国で女優として活躍した後、22歳で来日。大学を卒業後、商社に就職し、29歳のときに、日本在住の中国人留学生を撮影したドキュメンタリー制作を行った。完成した作品は日中両国人の心をつかむ大ヒットとなった。
まだ高校生だった私も、このドキュメンタリーを見たときのことを、今でもはっきりと覚えている。
遠い隣国だった中国が、ぐんと近く、愛おしく、美しく感じる、そんな作品だった。その影響もあり大学生になった私は、中国へ留学した。

本著には、張さんのドキュメンタリー制作後の人生も書かれており、興味深く拝見した。
今は映像制作者ではなく、経営者として奮闘する張さん。役割は変わっても、日中の相互理解のために、必要だと思うことに全力で取り組む、と力強い言葉で締めくくられていた。

どこの国で生きるのか。それはほんのちょっとした偶然の積み重ね。
しかし、その国のことを好きになるように生き抜くには、強い意志が必要だ。
諦めずに挑戦し続けた在日中国人の生き様は、そう教えてくれる。

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井上明子
兵庫県神戸市生まれ。大阪大学外国語学部卒業。 学生時代には上海戯劇学院に留学し、日中合作ミュージカルを上演。 現在は、大阪でテレビディレクターとして働く。 国境を越えて人々の心に響く映像を制作するのが目標。

11 コメント

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